そもそもどうして絵なのか

実際に公判が行われている最中の法廷のようすは、ときおり新聞やテレビなどで取り上げられることがありますが、いずれも法廷画とよばれるイラストだけで、架空のドラマ以外には、写真や映像といったものは見当たりません。これは、最高裁判所規則である「刑事訴訟規則」や「民事訴訟規則」の規定として、公判中の法廷内での撮影などがきびしく制限されているためです。
実際の条文を見てみると、公判のある法廷での写真の撮影、録音および放送については、裁判所の許可を得なければすることができないとあり、特別の定めがある場合には、この限りではないものとされていますが、実際には特別に許可されたケースというものはありません。
そのため、裁判に関して写真や映像で示すこととした場合には、例えば公判がはじまる前に、被告人が警察車両で護送されてくるようすを裁判所の外から撮影したようなものにとどまってしまうのです。
いっぽう、法定内でイラストを描くことについては、これらの最高裁判所規則には特に規定がなく、また裁判というものは憲法で公開が原則であるとされているために、傍聴席にイラストレーターが着席してスケッチするといったことが可能であるわけです。